犬と犬と猫と読書と。

犬と犬と猫との生活と、読書の感想など。

死にたくないんで運動をはじめた。

最悪、コロナにかかっても死なないように、体力をつけるべく運動をはじめた。だって、体重が人生最重なんですもの。

 

過去に何度も運動を思い立ったことがあるが、いつも笑えるくらいの3日坊主だった。続いたためしがほぼない。その昔、TVでやっていたカゴメトマトジュースのCMをご存じですか? どんよりとした目つきの浅野忠信がアップでカメラに向かって「つづけること」と呟くあのCM。私、ダイエットを始めるときは、いつもあの浅野忠信の陰気くさい声が聞こえてくるのです。

 

「つづけること」。それが一番大事。わかってる、わかってますよ、だけどなかなか続かない。でも今回ばかりはがんばろうと思う、だって死にたくないから~。

 

ちなみに、はじめたのは「Wii シェイプボクシング2」。Wiiなんてとっくの昔に生産中止になった、Switchより2つも前のハードのくせに、「Wii シェイプボクシング2」中古で3,500円もした。

 

ゲームでダイエット、しかも過去のソフトを使えば安上がり! さすが私、かしこい。なんて思ってたけど、同じようなこと考えている人は多いようだ。

「ちまみれ家族」津原泰水(日本SFの臨界点[怪奇篇] ハヤカワ文庫)を読んだ。

畳みかけるような語り口は町田康の小説や昔観た石井克人の映画(「PARTY7」かな?)を、匂ってくるような血まみれの描写は園子温の映画をなんとなく思い出した。

 

話はむちゃくちゃだけど、思わず声をあげて笑うこと何度か。

 

この作品については、今度、津原氏のオンライン小説講座で「なぜ書いたのか」その理由が語られるそう(ずばりの講座名「なぜ、これを書いてしまったのか」)。チケットを購入し受講予定。楽しみ。

 

 

tsuhara-yasumi.peatix.com

「箱の中」木原音瀬(講談社文庫)を読んだ。

www.amazon.co.jp


一般書として売られてはいるものの、元はBLレーベルで売られていた作品ということで読んでみた。一般作品の中に紛れているBL風味な作品が好きなので。「同行二人 特殊潜航艇異聞/井上武彦」や、「聖なる黒夜/柴田よしき」なども大変楽しかった。とくに後者は、読みすすめるうちに、次々と男性主要キャラクター達が同性愛者であることが明かされていき、複雑な竿兄弟関係が発覚したときには「まじかい」と目をむいた。どちらも面白かったです。

そんなわけで、イケメン同士がいちゃついているだけでなく(それはそれでよいものの)、しっかりとしたストーリーの上にメンズのラブが盛り込まれていれば最高! なので、この「箱の中」もそういった内容を期待していた。

ところが。

これ、よくBLレーベルで出せたな……というのが第一印象。あとがきで三浦しをんも書いていたが、BLというジャンルの懐の深さに驚かされた。だって、ラブシーンなんてほとんどないし。暗いし。イケメンは一人いるけど、ほか全員普通の中年だし。

主人公は、とくにハンサムというわけでもない優しさと実直さが取り柄の役所づとめの男、30歳。この主人公が痴漢の冤罪で刑務所に入れられる。一方的に犯罪者にされ、刑務所でおくる生活は地獄のよう。さらに、そんな彼にどんどん不幸な出来事がふりかかってくる。このあたりの描写は本当にかわいそうで、主人公に心を寄せざるをえない。そんな主人公の前にさっそうと現れて、鼻水を拭ってくれるのが、本作のもう一人の主人公であるハンサムガイ(前科一犯)。

理由はよくわからないが、このハンサムガイが主人公に惚れ込み、どこまでもどこまでも追いかけていく、そして主人公はそんなハンサムに翻弄されるというお話だった。でもって重要なのが、この作品においては、ほぼこの2人のみがピュアであり、まわりの大人達はことごとくウンコ人間であること。そりゃまぁ、そんだけ周りがウンコなら、ピュアな2人でくっつくよりしょうがないよねと納得。

この2人、作中ではウンコたちのウンコな所業に振り回されながらも、そのピュアさゆえにウンコに気が付かず簡単に騙されたり、傷つけられてなおその相手であるウンコを思いやったり……と、とにかく終始ピュアピュア。そんな2人によるピュア・ラブなのでした。

愛ってなんだろうね。と、改めて考えました。

ところで。作中に出てきた「林檎の牛乳サラダ」ってなんだろう。「林檎の牛乳サラダ」。牛乳サラダ? 検索したけど出てこなかった。どんな食べ物なのか、気になる「林檎の牛乳サラダ」。



以下、ネタバレ(ざっくりプロット)。



<箱の中>
1.主人公、刑務所へ
2.回想で冤罪の詳細。刑務所のつらい生活が続く
3.面会家族からもたらされる、最悪の状況。家族までさんざんな目に
4.三橋との交流、喜多川の警告
5.三橋の詐欺事件
6.喜多川の親切
7.心通わせる二人。一方的な肉体関係へ
8.喜多川、暴力事件。主人公出所
9.主人公のその後

<脆弱な詐欺師>主人公交代
1.金に困っている主人公(探偵)の境遇
2.喜多川の依頼
3.喜多川から金を搾取する主人公
4.喜多川が殺人犯と知り、手を切る主人公
5.芝から脅迫され、あらためて堂野をさがす主人公
6.堂野発見と、主人公の変化

<檻の外>
1.喜多川と主人公の再開
2.主人公の家に通うようになる喜多川
3.妻の異変(伏線としてはさんでいる)
4.喜多川の変化。娘を嫁にくれ(この辺はもうホラー)
5.娘の失踪
6.喜多川への疑い
7.真相発覚
8.結ばれる2人
9.妻の凶行
10.2人の生活へ(ハッピーエンド)

動物のいる生活。

先日、息子の友達が泊まりに来た。彼は台所の隅に置いてあった犬猫用の水入れを見て息を呑み、小さな声で「……すごい」と呟いた。500mlのペットボトルが逆さに取り付けてある、なんてことない水入れを。

 

彼の気持ちがよくわかる。私も子供のころは、彼と同じように、動物のいない家に住んでいた。彼はきっと「動物のために用意された水飲み場が当たり前に家にあること」に、驚いたのだと思う。動物が生活するために用意された場所・ものが、普通にある。それが面白かったのだろう。

 

一方、動物まみれの家で育った、我が家の息子。世の中には「子供が生まれたら動物を飼いなさい」なんてことを言う教育者もいるようだが、今のところ、飛び抜けて共感性に優れたりするようなこともなく、普通に育っている。

 

ただ、動物の扱いがひどく雑だ。もうちょっと動物に優しくなって欲しいと母は思う。

 

 

 

 

読書量が足りない。

とにかく足りない。

 

こんなんで、記事を書いたり、ゲームのシナリオを書いたりと、文章を仕事にしてきたものだから、我ながらよくやってこれたもんだと思う。

 

あるインタビュー(だったかな?)で、幾原邦彦監督が「読書することに対して、コンプレックスをもっている」と語っている記事を読んだか聞いた。なんでも、学生のころに、読書量をやたら自慢する友人がおり、監督はその友人のことを内心、鼻で笑っていたそうだ。ところが数年後、ある本を読み強い衝撃をうけた監督は、その本を友人が学生時代に読んでいたことを思い出した。そして「この感動を、この衝撃を、あいつは学生の時にすでに経験していたのか」と焦りを感じた、とかなんとか。

 

自分の読書量の少なさや勉強不足を嘆くとき、この話をよく思い出す。しかし、後ろ向きになったままではいけない。れっつ、ぽじてぃぶしんきんぐ、なのである。

 

今まで勉強を怠ってきたのではない。する必要がなかったのだ、と考える。すると、今まで不勉強だったぶん、自分にはまだまだ伸びしろがあると言えるのではないか。だとすれば、これから人並みに読書し勉強に励んでいけば、前人未踏の境地が見えてくるのかもしれない。私の未来は、輝いているわけだ。

 

そんな不惑すぎ。

犬が2匹と猫が1匹いる。

我が家には犬が2匹、猫が1匹いる。

 

黒い犬は7年前にうちにやって来たシニア犬(雄)。この犬は大変な変わり者で、猫よりも動かず、よく唸る。茶色い犬は、1年前にやって来た雌犬で、黒い犬とは正反対の犬らしい犬だ。よく走り、よく遊ぶ。

 

そしてほんの2ヵ月前、庭で見つけた子猫が、仲間に加わった。

 

私は生まれてこのかた、自分を動物好きだと思ったことがない。小さいころに野良犬に追いかけられたことがあり、触れてみたいという気持ちはあれど、昔は犬が本当に苦手だった。

 

なのにいま、我が家には犬が2匹、猫が1匹。犬が2匹のうちはそれでもまだ「人間の家」という感じだったが、最近はもう「動物の家」という感じがする。

 

フルローンで購入した一戸建て。どうしてこうなった。